参勤交代の巻
与三郎キツネは武士に化けることがじょうずで、毛利公の参勤交代の
行列中に武士
に化けてもぐりこみ、堂々と山陽・東海道を練り歩いた。
こうして、参勤交代の人数がいつも一人多いので、キツネのしわざ
であるうときまり、キツネの好物である焼ネズミをしかけてみるこ
とになった。
あるとき、東海道の道中で、ある茶屋の店先に焼ネズミをしかけておいた。
すると、行列の中からひとりの武士がふらふらと出たかと思うと、
その焼きネズミを かっぱらった。

それ!というので、手配どおりに、電光一閃(いっせん)一刀両断
に討ち取ったところ、やはり一匹の老キツネであった。さすがの七
変化キツネも人間の知恵にはかなわなかった。<おわり>
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